軋み

軋んでいる

2回目日記

前回のワクチン接種から4週間が経った。職場ではワクチンのスケジュールは念のため共有する必要があったのだが、チームのメンバーのほぼ全員から「2回目はヤバい」と言われた。2回目経験者はメンバーには居なかったのだが、確かにネットで軽く調べるだけでも腕の痛みや発熱、嘔吐感その他症状の起きる確率が圧倒的なことが分かる。モデルナかファイザーどっちですか?と尋ねられてモデルナだと答えると「えーマジヤバいじゃないですか!」と言われた。一般的にモデルナの方が副反応が強いと言われているのを、10月になるまで知らなかった。家にテレビが無い生活のためか時勢についていけない。

Twitterで観測できた「用意した方がいいもの」を確認してドラッグストアに向かったのが接種当日の昼。10月にもかかわらず日差しがキツかった。解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンを主成分としているものが良いらしい。アクエリアス2リットル、イブクイック頭痛薬、冷えピタ、おかゆやゼリーなど。ついでに業務スーパーまで足を伸ばして、冷凍うどんとカステラを買った。完全に遠足気分。

接種会場は1回目と同じ、家から徒歩10分ほどのオフィスビルのホール。綺麗な建物にラフな格好(サンダルと半袖シャツ)で入るのはふわふわとした楽しさがあって良い。会場に入ると既に同じような格好の人が大勢居た。簡単な問診をして、注射をして、15分待機という流れも1回目と同じ。接種直後は特に何も起らなかったので、家まで元気に歩いて帰り、カステラを2切ほど食べた。

副反応はしっかりやってきた。ひどかったのはその日の夜からで、21時ほどから寒気が急に強くなった。まだ寝苦しい暑さがあるので、半袖半ズボンに夏用の掛布団で寝ているのだが、その時はパーカーを羽織り、下にはタイツを履いて寝ようとした。それでも寒気が治まらないのでとうとう冬用の布団を引っ張り出して被るとようやく寒気は我慢できる程度までにはなった。

しかし体の節々が猛烈に痛むので眠れない。痛い…とかうー…とかうめき声を上げ続けていたのを覚えている。部屋の壁は薄く、たまに知っている曲を隣の人が歌っているのが聞こえるほどなので、あれが聞かれていなかったか少し心配だ。昔ケガした箇所や、左アキレス腱など体の硬い部分が特に痛むので、どこが不健康なのかがよく分かる。

痛みに喘いでいる内に寒気はいつの間にか治まっていて、今度は体から強い熱気を感じる。大学の研究室の飲み会で、間違えて日本酒をクイッと煽ったことがあったが、それとは比較にならない熱気。手や足という体の末端から異様に熱が出ている感じがあり、試しに体温計を手のひらで握ってみると37.6℃を記録した。パーカーやタイツを脱いで、先ほど出したばかりの冬用の布団は元の収納の奥へ仕舞った。当時の体調からすれば実に重労働だった。体調が戻ったら何をしたいかを考えて、1回目の接種では12本のビールのケースを買った。2回目の今、寝れずに苦しんでいる間も何をしたいかを考えていた。セグウェイに乗りたい。道交法のせいか日本では普及しなかった。深夜で一人、アクエリアスをちびちびと飲んだり無意味に立ち上がったりしていた。体が痛むので寝ているのと立っているのと、どちらが楽なのか分からない。セグウェイに乗りたい…。