軋み

軋んでいる

めばちこvs熱の華

ワクチン2回目接種では最高40℃近い熱が出た。熱は1日半くらいで引いたが、左目の下が刺すように痛んだ。ものもらいだ。去年の11月あたり、胃腸風邪で39℃くらいの熱を出して寝込んだ時も、追い打ちのように左目をやられたのだった。鏡で赤く腫れた目を見て財布の中の眼科の診察券があったのを思い出して、芋づる式にそのことも思い出した。

粘り気の強い涙、というか半分は目ヤニの物質がとめどなく出てくる。目を開くとすぐに視界がにじむ。表情筋が硬いのかウインクがスムーズにできないので、顔の左半分を強張らせながらなので仕事も上手く回らなかった。右目だけでモニタを見ていると、マウスポインタをすぐ見失ってしまうことに気づいた。職場の人に熱は治まったんですけどものもらいができて……、というと「あーめばちこ」という反応があった。昨年も終業即眼科の旨を伝えた時に上司から同じ反応だったことをまた思い出した。大阪に来て1年経つが、めばちこという呼称がこちらではメジャーなのだろうか。名古屋では全く聞かなかった。

しかしめばちこ、というとどこか可愛らしさがあっていいよな。サンリオのキャラクターのようなふわふわした感じがある。MOTHER3でマメチコという敵モンスターが登場するが、すこしブサイクなデザインでそこに可愛らしさがあるので、そういうイメージ。実際には、目の下に赤のブツブツができている現象のことを指している。

去年と同じやね、という朗らかな眼科の先生の一言とともに目ヘルペスという診断がなされた。目薬と塗り薬を処方されて終わりだった。目ヘルペスにかかったのは去年が初めてだったので少しネットで調べたが、放置すれば最悪失明する可能性もある、という記述を見た記憶があった。今回ももう一度ネットで調べてみたが、やはり失明の危険性があるらしい。近くに眼科があって良かった。

またネットで調べて分かったのは、ヘルペスには「熱の華」という別名があるらしいことだった。実に耽美なことよ。恋や愛のあれそれに、熱の華という表現を適用した文学作品などいくつ世の中にあっても不思議ではない、と思う。目や唇に熱の華が咲く。情熱的な一節の様に映るが、実際には赤のブツブツに体が侵されている。心に熱の華が咲いたときは、多分死ぬ。