軋み

軋んでいる

俺のアキレス腱は限界かもしれない話

左右対称な人間なんて存在しないということは分かっている。誰しもが大なり小なり左右差を体に抱えて生きているもんだとは承知の上だが、それを加味しても俺の左右差はひどい、と思う。だらん、と力を抜くと右肩だけがなで肩になるし、そのせいなのか右だけ胸筋が付きにくい。髪の毛の量も全体でみれば多い方だが、左前頭部だけハゲかけている。下半身に至っては左右差が無い部位の方が少ない。そもそも左足だけ偏平足だ。人間には自然治癒力が備わっているのでだんだんと体の不具合も治っていく、という話があるがそれはあくまで正しい姿勢をキープできているという前提だ。人体ってのは歳差運動が徐々に大きくなっていき、やがては倒れるコマみたいなもんだ。人間工学に基づいた家具が一時期はやっていたような気がするが、俺の仮説では人体そのものが人間工学に基づいていない。

左アキレス腱がガチガチに硬い。これがいつからなのかも忘れるくらい、長い間硬いままなのだがここ数か月は特にひどい気がしている。左は股関節からハムストリングス、足首から足底部まで右と比べるとキシキシ音を立てながらなんとか動いている状態だが、それらが全てアキレス腱に影響を及ぼしているのかもしれん。ワクチンを打って40度近い高熱に苦しんでいる時に熱と併発して全身の痛みがあったが、ありがちな関節に加えてアキレス腱もじわじわと痛み出した時はびっくりした。硬くなった腱はウイルスに反応する。

何しろ寒くなってきたので体全体が硬くなる一方だ。外を歩いたり自転車をこいでいると、ときどきこのままアキレス腱がブチっと切れるのではないかという考えが脳をよぎる。アキレス腱が切れたときの音はかなり大きいらしい。それもそうか、人体で最大の腱なのだから。知人などにはいつか切れるかもなあ、冗談で言っていたが最近になってそれが現実に起こり得る気がしてきている。こんなに硬かったっけ?と思いながら足首を回したりストレッチをしたりで誤魔化している。椅子に座るときも左脚を右膝に乗せて、ぐにぐにとアキレス腱をつまんでいる。いつか切れるかもなあ。走ったりしたらすぐ切れるかもなあ。