軋み

軋んでいる

秋が来た話

だいぶ冷え込んできた。数日前までの夜は寝苦しくすら合った覚えがある。2回目のワクチン接種の副反応で強い寒気を感じた時に急遽引っ張り出してきた冬用布団を、一度は仕舞ったのだが再度引っ張り出してきた。多分今年はもう仕舞うことはない。しっかり週間の予報を見た。最低気温が10℃と少しの日が続くらしい。鼻がズルズル言っている、たまにクシャミも出てしまう。葛根湯を飲んだが、効いているのかよく分からない。

大阪に越してきたのが去年の10月だった。フルリモートの体制になったのが11月の中旬辺り。一日中家に居ると、余計に空気がこもるような感じがあったので、肌寒くはあったのだが夕方には窓を開けて換気をしていた。ほぼ毎日、夕方から夜になるといつも街中に響き渡るようなクシャミの音が聞こえてきていた。10時や11時などでもお構いなし。同じ人のものと思われる音もたびたびあったが、住宅街のあらゆる個所から色んな人のクシャミが聞こえてくる。ヘックショーン!と、よくもまあこんなに絵に描いたようなオーソドックスなクシャミをできたものだなと、ある意味では感心しながら窓の外のクシャミの音の主のことを思い浮かべていた。10階越えのマンションが近隣に集まっていたので、クシャミの音がよく反響していた。

もしかすると、治安の良し悪しも関係あるのかも知れん。大阪に付きまとうイメージや実際の都道府県ごとの犯罪発生率のことが少し思い出された。時折ド深夜に窓の外から大笑いする声やバイクのスロットルが開かれる音が聞こえてきたりということが、確かにある。プロテインを割る牛乳が切れたので近所のファミリーマートまで行く。その間にも路上のごみがちらほら目に付いている。こうしたアウトローな人々のこぼすクシャミが、夜の街にも響いているのだろうか。牛乳に加えて、なにか一つおやつになるものでも買おうと薄暗くなった道を歩いていると、少し風が吹いてきた。靴下を履かずに出てきたせいかやけに冷たく感じられ、とっさのことで遠慮の全くできなかったクシャミの音が街に響いた。なるほどなあと思った。