軋み

軋んでいる

業務用うどんの話

文化の日なので昼まで寝ていた。昼まで寝ることを許容してくれる文化には感謝してもし切れない。

冷凍うどんが切れかけていたので補充しに業務スーパーまで行ってきた。自転車で大体15分くらいの距離で、空がかなり広く見えるくらいの寂れた場所に建っている。一人暮らしを始めてから冷凍うどんを主食にしているのだが、何回も食べているうちに、実家で食べていたものとは明らかに味、量ともに劣っていることに気が付いてしまった。家から徒歩10分のスーパーやドラッグストアで売っているような200グラム×5個で250余円の冷凍うどんでは所詮こんなもんだと悟った。美味い冷凍うどんが食いたい一心でそれらしいワードでググって出てきたもの(テーブルマークの一袋250グラムくらいのやつ)を通販で注文しようとしてみたものの、モノの値段に対して80%くらいついてくる送料に目を回して断念した。当時は何でこんな送料が付くのか分からなかったが、冷凍ものをオーダーしているのだから当然だ。

ここになら美味い冷凍うどんがあるのではないか、と思って訪れた業務スーパーでちゃんと230グラム×5個が170円のものを発見できたのは大体9月中旬辺りの話。以来冷凍うどんを買うのは業務スーパーと決まった。230グラムと量が多いだけでなく味も良い。なんというか、小麦の味がする。小麦そのものを生で食ったことはないのだが、前に食っていたうどんと比べると明らかに麦成分っぽいものが詰まっていていわゆるコシを感じることができる。うどんと言えば小麦粉・水・塩を混ぜてこねて伸ばしたものだが、前食っていたものは概ね水と塩だったのか。「本格さぬきうどん!電子レンジで簡単!」と外袋に書いてあるものよりも、業務スーパー特有の見た目にはほとんど何も情報が無い商品の方がはるかにコスパが優れているのは何とも皮肉だな。

主食のグレードが上がってから、明らかにQOLが増してきている。肉とたまねぎをコチュジャンで炒めたものを乗っけたりしてうどんを食うことなど、前のものでは考えもしなかった。電子レンジにうどんをかけている時間に乗せるものを用意するのが楽しい。新しい何物かをインストールするよりかは、既存のものをアップデートできた方が存外人間は幸せなのかもしれん。マットレスを変えてからしばらくはずっと寝ていたいと思っていたことがあった。いやまあ、確かにあったが、それは今もだった。具体例がうどん以外に出てこない。それっぽいことを言って締めようと思ったのに……。