軋み

軋んでいる

チームの朝礼で「今暖房付けてます?」とチームリーダーの人から聞かれた。その時は25度の暖房を風量:自動で付けていたのではい、と答えた。「電気代もったいなくないすか?」と返された。何気ない会話でしかないのだが、即座に否定(というほどのものでもないが)されると少し悲しくなってしまう。 彼は暖房は付けずに部屋の中で着込んでいるらしい。トレンドとしてSDGsという概念があり、弊社の目標にも含まれているのでそれが正しい冬の過ごし方なのかもしれない。俺はというと半袖のシャツにフリース1枚を着て、下はステテコという季節感を捻挫したかのような出で立ちだ。それで、暖房を付けている。

かつてゲーム配信を見ていた時に、11月くらいの肌寒い時期にもかかわらずカメラに写っている配信者は半袖で、それを指摘するチャットに対して「半袖で暖房をつけるのが最高のエンタメだ」という主張をしていたのを思い出した。当時は酔狂なことを言っている画面の中の彼を怪訝な目で見ていたが、自分は今彼と同じようなことをしているな、と思った。最高のエンタメかどうかと言われると、確かに素肌に生温かい風を直で浴びるのはその実それなりの心地良さがある。電気代は怖くて確認していないが、11月中旬からほぼ付けっぱなしなのでおそらくはそれなりの額になっている、と思う。素肌に電気でできた服を着ているようなもの。

勤続10年超でマイホームを持っているチームリーダーからの指摘を経て、暖房は贅沢品であるという実感が湧いてきた。彼に倣って暖房を消してその場で着込んでみたが、ダウンまで羽織っても、この北向きの部屋において下半身の寒さはどうしようもなかった。業後にAmazonで「ひざ掛け」で検索し、Amazon's ChoiceにあったUSB給電式の電気毛布を早速買った。ふわふわしている手触りが気持ち良くて、電気を入れなくてもそこそこ温かいのでこれはいい買い物だった。が、足先の冷えはそれをもってしても辛かったので、ユニクロまで行ってルームソックスを2足買った。合計6000円弱。電気代をペイできるかは正直よく分からないが、暖房を切って生活を送れるくらいの装備は整った。ひざ掛けとして勝った電気毛布は膝にかけたところで隙間ができまくるので、付いていたファスナー前で閉じて羽織るようにした。下にはタイツを履くようにした。チームリーダーの人は割と短いスパンで1度した話を再度振ってくる人なので、また彼から「暖房付けてます?」と尋ねられる日を待っている。