軋み

軋んでいる

いっそセラミック

相変わらず歯科を受診している。今は、銀歯にしていた箇所の奥の方で虫歯が進行していたため、そこの処置をしている。虫歯の部分を削って新たに歯の表面になる物を被せるのだが、被せ物の種類を銀歯とセラミックの2種類から選ぶことができた。俺が20余年通い続けていた故郷の歯医者では銀歯以外の選択肢が存在しなかった。両者の差を聞いてみると銀歯の方が虫歯が広がるリスクがある等、他の点は細かく覚えてないが、とにかくセラミック一択!という感想を抱いたことは記憶にある。金額が確かにネックだが(1カ所およそ税抜4万円)、それさえ無ければ全ての個所をセラミックにしたくなるような差だった。年明けの受診ですでに歯型はとったので、今回はいよいよ歯にセラミックを詰める。

歯の仮蓋を外すため、まずは麻酔から。タオルで目を隠されているので何が行われているのかわからないが、この歯科ではキリキリキリ……と万力を絞めるような音のする器具を使う。徐々に歯茎の感覚が鈍くなってくる。あとものすごく苦い液体が口の奥のにたまっていく。どうやら麻酔薬とは苦いものであるようだ。依然通っていた歯科では刺すような痛み、というか文字通り歯茎に針を一本刺して麻酔を行っていたが今の場所ではそういう方法はとっていないらしく、麻酔の際に痛みが特に無い。名古屋のベッドタウンと大阪の駅近の病院ではかなり技術に違いがありそうだ。

麻酔の後は歯をドリルで削っていく。この時はいつもマリオパーティの「はっくつ!ハッスル!」をやっているイメージが脳内で流れて止まらない。キャラクターの型抜きの疑似体験を、俺の歯を使って先生が一生懸命やっている。そういうイメージ。やっぱり本家マリパの方でも100点を連発できるんだろうか。バックグラウンドではつじあやのの「風になる」のオルゴールアレンジが流れている。去年の暮れに行った整形外科では、赤いスイートピーが流れていたが、院内のBGMって先生方の趣味がそのまま反映されるのだろうか。

必要な個所は削り終えたのか、しばらく口を開いたままにして口内を乾かせてから歯に接着剤のようなものを塗る。これが以前の歯科ではものすごく痛かった、それこそ脳にまで響くようだった覚えがあるのだが、ここでは特に痛みはなかった。銀歯とセラミックでは違うのか、それとも地元と都会の差なのか。何度か調整のために付けたり外したりセラミックの方を削ったりして、最後に付けて「接合部が合っていないのでもう一度型を取ります」というニュアンスのことを告げられた。歯を処置しまくってきた人生でも初体験だった。マジかー。セラミックならよくあることなのか?ととりあえずすべての選択肢で「はい」を選んだ。接着しているセラミックを剥がすために、またマリオパーティが始まった。結局料金は取られなかったが、麻酔を打った箇所が赤黒く腫れている。どういう器具を使っているんだろうか……