軋み

軋んでいる

夢と便の話

布団に覆われた何かがもぞもぞと動いているのをじっと俯瞰していただけだったのだが、はたしてそれが害虫の群れだと分かり、その虫の群れにネズミやカラスや野良猫が集る。そんな悪夢らしい悪夢から目が覚めると額に汗をかいていた。夢から覚めた時にはすでにその内容の大半は忘れてしまっていることが多く、好印象かその逆か程度の感想しか持つことができない。こんなボロクソな夢を見たのは久しぶりだな、大学をやっとの思いで卒業したのに両親にまた高校に入り直そうと勧められるヤツ以来か。

話の分かる知人にこのことを伝えてみると、そいつも見た悪夢の話をしてくれた。人の夢の話ほどつまらないものは無いということも聞くが、俺は夢の話を聞くのもするのも好きだ。曰く、トイレの夢をよく見る(尿意のあるときなど夢の話では定番)がそのトイレ排泄物にまみれている、という。加えて時には血まみれだったり、外から見えていることもある、らしい。恐ろしい話だ。俺の方は夢の中のトイレに関して言えば清潔そのもので、どちらかと言えばトイレにたどり着くまでの過程の方が大変だ(イオンモールのような巨大な施設中を駆け巡って男子トイレを探す、など)。さらに曰く、汚いトイレの方が夢占い的に金運がいいらしい。以下引用。

汚いトイレを見たとき、汚れの原因が排泄物の場合は吉。 とくに便器に大便がびっしりこびりついていたり、便器から排泄物があふれ出している場合は、その量が多いほど金運が強いです。 ... ただし、汚いトイレは基本的に吉を意味するものが多いですが、の内容によってはネガティブな凶や警告の場合もあります。

汚いトイレの夢は宝くじが当たる前兆?宝くじを買う3つの秘訣とは? | 進撃のアリオ橋本

こびりついている量に比例して金運が良くなる。小学生が考えたようなバランスの取り方で、いろいろな過程を通り越して感心してしまった。覚醒していない間の出来事ゆえに理屈をこねることすら許されず、根拠の掴めない文章を飲み下す他なかった。鳥の糞がちょうど俺の上に落ちてきたときに大学の先輩から慰めてもらった時のことを思い出した。「運がついている」と。

ただ、夢占いの解釈にも様々あり、中には綺麗なトイレこそが金運を示しており汚いトイレは凶兆や現状打破の必要性を訴えるものである、とするものもある。いずれにせよトイレと金運を結びつけている。俺は強い尿意を催した時くらいしか夢でトイレを見ない。白い小便器を前にしたところで目を覚まし、現実のトイレに向かう。これで金運が上がっているのなら儲けものだ。