軋み

軋んでいる

祝日が半分無かった話

秋分の日ということで休日なはずだったが、社内研修が午後から入っている。それもオンサイトで、ということで半年振りかそれ以上に事業所へ出社した。久々にちゃんとした格好で外出をしたが、ルーチンを構築していたためか玄関ではサンダルを履きそうになった。外を歩く人はたいていが半袖で、実際に歩いていると汗が出てくるほどの陽気だった。半袖にしておいてよかった。

駅のホームは人もまばらで、やってきた電車は乗車率50パーセントもいかないくらいだ。いつもこれくらいならばいいのに。

ドアの脇のスペースをキープしているおじさんが居た。乗車するときにかなり近くですれ違ったが、彼と目が合うことはなかった。隣の車両からスポーツウェアの男性が移動してきたが、周りと人々と比べると明らかに目立つほどに筋骨隆々だったので、思わず身構えてしまった。外の世界への免疫を失いすぎている。マッチョな男性は俺が乗っていた車両を通り過ぎて、またもう一方の隣の車両へ移動していった。座席に100円ライターが転がっていた。100円ライターとなると、やはり紙タバコを吸っている人が落としたのか。

目的の駅のホームでは、階段の面積の半分が工事中で使用不可になっていた。エスカレーターができるのかもしれない。俺はこの日何も食べていなかったので、事業所に入る前にラーメンでも食おうと近くの店に入った。それが間違いだったのか、研修をすでに終えていた会社の人とばったり出くわした。研修は午前と午後の2グループに分けて実施しているのだった。こういう時の感情が自分でもよく分からない。悲しいとか、嫌だという気持ちはそこまでは無いのだけれど、やっぱり出会わない方が気持ちが楽だなあ、という。こんなのだからLINEでの話し相手が親族くらいしか居ないんだろうな。他愛もない話を先輩としていた。テレワークでの作業用BGMとして何を流しているか、について。ネットラジオアーカイブyoutubeで再生している、と伝えた。口を動かしている間にも、電車で見かけたライターのことを思い出していた。綺麗なピンク色をしていた。