軋み

軋んでいる

所属と称号

業務上のメールは、自分宛以外のものも受信ボックスには入るようになっているので、確認しないと1週間放置するだけで未読が4桁ほどになってしまうので隙を見て数を減らすようにしているのだが、何通かは弾みで開封してしまって内容を見ることになる。もともとが自分に関係の無いものだし、およそ半数がシステムからの自動送信なので味気が無いのだが、今日ふと見たメールは紛れもなく人が書いたものでありその出だしが

岡田様

お疲れ様です。流通川島です。

であり、俺は何となくこれをかっこいいと思った。流通川島です。シンプルに送り主である自分の情報を表している。俺もメールを送る際は自分の肩書はきちんと名乗るようにしているのだが、情報システム部作業効率化チームの佐藤です。と冗長に名乗りがちである。きゅっと漢字2文字で所属を名乗れるのは自分の仕事に誇りを持っています、という職人のような感触があって味わい深い。助詞の「の」を省いているのもいい。これが「流通の川島」だったらここまでの感銘は受けなかっただろうな。東京靴流通センターの営業みたいなニュアンスを感じてしまうかもしれない。

有名(?)なコピペの「伝説の鈴木さん」を思い出した。デンセツの鈴木さんという社内の人物とコンタクトを持つレス者が伝説の鈴木さんとはいかなる人物か、と妄想していたら電気設備課と書かれた部屋に通されたという……。今俺の中で流通川島さんが似たような熱を持っている。家族のために誇りをもって社の流通をその身一つで支えているのだ。俺も「効率佐藤」とか名乗っていくべきかどうか、いやダメだ。ケチな役人のような背広の小男しかイメージが湧いてこない。