軋み

軋んでいる

巻き爪と深爪を混同していた話

慢性的に深爪を抱えているが、つい最近寝返りで壁を蹴ったときにあまりの爪先の痛さに目が覚める、という事件があった。いよいよ深爪を真剣に治療しなければならない。「深爪 治療」でググってみると、どうも爪にワイヤーを仕込んで、曲がって伸びてしまった個所を強制するという方法があるらしい。歯列矯正をしていた過去のことを少し思い出した。金属部分が歯茎に時折食い込んで痛かった覚えがある。他にも、検索結果からネイルサロンを提案されたのでカルチャーショックがあった。ネイルサロンは爪をデコるためにある場所だと思っていたが、違うのかもしれない。

自転車で15分くらいの場所に良さげな整形外科があったので、診療時間の9時になってすぐに受付をした。綺麗な院内で、NHKの番組が流れている。いい雰囲気だ。これは誤りだと後に分かるのだが、診断書に「巻き爪」と書いて提出した。朝すぐに来た甲斐もあって早速診察室に通された、と思いきや処置室に先に入るように言われた。処置室のベッドに座って、患部を出すと奥からデジカメを持った先生が来た。こうして患部を出していると、自分でもけっこうなエグさだなーと思う。血が固まってるし。デジカメのシャッターを4,5回切る先生。医者ってすごい職業だ。その後も先生は腫れてる部分を迷い無く押してくる。うぅ……と正直なうめき声を上げてしまった。軟膏を塗って上からガーゼを被せて処置が終わった。

「これは巻き爪じゃなくて深爪ですね」と先生が言った。診察室の電子カルテを表示するモニタに自分の爪の画像が出てきた。自分のことながらまあ随分とショッキングな画像になっていた。続く先生の説明で、巻き爪と深爪は別の概念だということを知った。爪の端の部分を切った後に伸びてくる部分が肉に食い込むのが深爪、文字通り巻いて伸びてくるのが巻き爪だと、そういう説明だった気がする。その説明をする間も先生は別の患者の巻き爪の画像を表示してくれた。ほんとに爪が渦巻き状になっていて、これまたショッキングな画像だった。ワイヤーで矯正するのは深爪ではなく巻き爪の方の処置で、深爪は湿度を保って爪が伸びるのを待つのが良いらしい。「手術もあるけど、どうする?」と言いながら先生は深爪の部分を切ったときの画像を見せてくれた。血がいっぱい出ていた。うぅ……と正直なうめき声をまた上げてしまった。結局軟膏を処方してもらった。治療、がんばるぞ。